Impressions-SCREAMIN' JAY HAWKINS

ALBUM NOTES

これは、Screamin' Jay Hawkinsを最低一枚は買っときたい、って方にはもうマチガイ無く、MUST! MUST中の MUSTです!
Gene Sculattiのライナーによると、EPIC LN3448 "At Home With Screamin' Jay Hawkins" をベースに、アルバム未収録の"You ain't foolin' me"を加え、さらに OKehに残されたシングルから編纂されたもので、大ヒット"I put a spell on you"はもちろん、その別テイクも入っています。 さらにアノ"Hong Kong"や、再び中国人が登場する"I love Paris" 。 さらに Ray Charles Singers(ダマされちゃダメよ。この Ray Charlesってのが・・・うぷぷ)まで動員した"Take me back to my boots and saddle" など、 笑いどころ(?)が随所に散りばめられてあります。


1. Little demon
 
( Hawkins-I.Nahan, OKeh single #7072, B-side of "I put a spell on you")

軽快なシャッフル・ナンバーです。 と言っても SJHのヴォーカル(つーかスキャットつーか、口からでまかせつーか・・・)はいつもどおり、キタイ?を裏切りません。 サックス・ソロが入るなどブラスが前面に出たつくり。 ギター・ソロはハッキリ言ってかなりショボいよ。ベースはウッド。
[accompanists─The Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Jimmy Shirley: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ Sam "The Man" Taylor: tenor sax/ Heywood Henry: baritone sax]


2. You ain't foolin' me
 
( Dickerson-Robinson, previously unreleased ─by Gene Sculatti)

サックスでスタートする軽快なシャッフル。 ヴォーカルのテンションが、「不必要なまでに」高い、ってのはいつもどおりだけど。 ピアノのバッキングがなかなか。ずっとリフ入れっぱなしのブラスはちょっとウルサイかも。 ソロはいいんだけどね。これもベースはウッドです。


3. I put a spell on you
 
(1956 original OKeh single #7072)

あまりにも有名なこの曲、やや重厚な(もちVo.は除き)つくり。 でも良く聴くと、サイド切ってるギターはケッコウお間抜けかも。 ソロではなかなかいいサックスが聴けます。 バックは音数を抑え気味にして、SJHの突出?をより効果的に引き立てているみたい。 あ、ピアノ聞こえないなあ。ベースはたぶんウッド。
[accompanists─The Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Jimmy Shirley: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ Sam "The Man" Taylor: tenor sax/ Heywood Henry: baritone sax]


4. You made me love you(I didn't want to do it)
 
(J.McCarthy-J.Monaco, OKeh single #7084, 1957)

ややスローなバラード系のナンバーだが SJHのテンションはいつもどおり。 ステディなウッド・ベースのボトムに、普段より「粘り」気味のヴォーカルをソフトなホーンのブロウが盛り上げて、アダルト?なフンイキを・・・
[accompanists─The Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Jimmy Shirley: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ Sam "The Man" Taylor: tenor sax/ Heywood Henry: baritone sax]


5. Yellow coat
 
(-I.Nahan, EPIC LP #3448 "At home with Screamin' jay Hawkins", 1958)

ウィリー・メイボンの"I don't know"にも似た構成。 半端にクランチ気味のチープかつスットコドッコイ?なギター・ソロは「ヤル気」をそぎますので要注意。 この曲もベースはウッド。最期は「グダグダグダ・・・」の意味不明な・・・っていつもだけどね。
[accompanists─The Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Jimmy Shirley: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ Sam "The Man" Taylor: tenor sax/ Heywood Henry: baritone sax]


6. Hong Kong
 
(-I.Nahan)

シンバルのクラッシュをドラの代用にして幕を上げ、サックス・ブロウに続き、 ギターの腰が砕けそなミョーなオリエンタルっぽいイントロで始まるお馴染みの「ホンコン」。 ギター・ソロ(あれを「ソロ」と言えるかどーかは別として)までヘン。 SJHの「中国語ってのは、こんなんだべえ」のデタラメなラップ?込みの珍曲。 ヘタすりゃ外交問題にまで発展しちゃうぞ、今だったら。


7. There's something wrong with you
 
(-I.Nahan)

フンイキ的には"I put a spell on you"にも似ています。 サックスをメインのバッキングに、SJHが唸る、うめく、吠える。 サックスも唸る不気味なブレークが特長。OKehのシングル"Alligator wine"のカップリング曲だった。


8. I love Paris
 
( C.Porter, from EPIC LP #3448 "At Home with Screamin' Jay Hawkins", 1958)

コール・ポーターの名作。それ故、まるで「パリ」を舞台にしたミュージカルのオープニング曲のごときアコーディオンのイントロで始まります。 そのやわらかな和音に乗ったディズニー映画を思わせるコーラス( Ray Charles Singers─次の曲に解説)。「私はパリの春を愛している・・・」「秋も・・・」と始まる穏やかな曲。
しかし、そこはSJH、パリだっつーのにナゼか登場するドイツ人の怪しいドイツ語(のつもりらしい?)やら、パリの中国人(って、よーするに「ホンコン」のあれがやりたかっただけだよ、きっと)、さらにアルジェリアor仏領コンゴ?からのアフリカ系移民(のつもりらしきナゾの言語もどき?)のデタラメな世界が。


9. Orange colored sky
 
( M.Delugg-W.Stein, from EPIC LP #3448 "At home with Screamin' jay Hawkins", 1958)

これもヒトの曲で、ミュージカル・ナンバーのような洒落たつくりです。 でもナゼか突然テンポが上がったり、SJHもテンションが上がってシャウトになっちゃう。 サックス・ソロはかなり レヴェル高い。ベースはところどころアルコみたいに聞こえるけど、それってチェロで、低く響いてる重低音のピチカートがたぶんWood bass ですね。
[accompanists─Ray Charles Singers*: background vocals/ other members: unknown]
* Ray Charles Singersなんて言っても、これ、あの「偉大なる」 Ray Charlesのバッキング・コーラスを担当した The Cookies(後の The Raylettes)のことではおまへん。
なにしろ、この Ray Charles Singersの Ray Charlesってのがそもそも、あの「偉大なる」 Ray Charlesですらおまへん。 まったくの同姓同名ながらカンゼンな別人でして、 その違いをあるサイトでは「向こうは目が悪い、こっちは耳が悪い(これ、どーやらバカにしてるらしい)。あっちは黒人、こっちは白人。向こうは魂からの声が胸を打つ、こちらはサイレント・マジョリティ(つまり保守的な圧倒的多数の白人層)の声を代弁する。」なんて、ホメてんだかバカにしてんだかよーわからん紹介をしておりましたが、そのサウンドを聴く限り、ドップリと首まで白人音楽に浸かったサウンドで、これがあるイミ、アメリカン・ベーシックなのかも?
これを「敢えて」使った、ってえとこに S. J. H.のネジレた悪意(?)が見えるよな気がしますなあ。
こっちの Ray Charlesは 1918年 9月13日、Chicago生まれだそうでございます。


10. Alligator wine
 
( Leiber-Stoller, OKeh single #7101, 1958)

まるで熱帯のジャングルを思わせる鳥の鳴き声(のマネ)にノッシノッシと歩くワニを思わせる Vo.が。ギターのリフがおバカでいいです。 でも、この曲の基本リズムって、ヘヴィに刻む「スローなブギ」なのね。 奇声で隠されちゃってるけど。
[accompanists─Earnie Hayes: piano/ Kenny Burrell, Everett Barksdale & Danny Perri: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ unknown: sax]


11. Darling, please forgive me
 
(-I.Nahan)

アカペラの「Moan?」から始まるのかとおもったら「OK!」の声がかかって、 するとあらためて曲が始まるんだね。あれって SJH式、発声の準備体操なん?
教会チックなオルガンで始まると、まるでゴスペルなんだけど、 バックにはさっきの耳障り?なウナリ&シャウト、そして時にはGrowlが、しつこくも全曲通して入ってます。しかも例によってワケわからんハイ・テンションで!OKehのシングル、"You made me love you" のB面だった曲。


12. Take me back to my boots and saddle
 
( W.G.Samuels-L.Whitcup-T.Powell)

ハリウッドっぽい女性コーラスといい、まるで安っぽいウエスタンのテーマ曲みたいだけど、SJH自身による「Woo-oohs!」が段々、鬼気迫ってくのがおかしい。
Gene Sculattiのライナーによると、SJH曰く「ワシの母親ってのが、これ("Take me back to my boots and saddle" )が好きで、最初に聴いたのは、Gene Autryの唄ってるヤツだった・・・」 どやら思い出の歌だったみたいですねえ。スムースなウォーキング・ベースの上に、Ray Charles Singersのコーラスが乗り、Mickey Bakerのクセのある(ライナーでは Crispyとなってて、フツーは「歯切れのいい」ってイミなんだけど、あましそーは思えないよなー。まさかもひとつのイミ「ぼろぼろ崩れやすい」ってほーじゃねえだろな?)ギターも加わる、と。


13. Temptation
 
( A.Feed-N.H.Brown)

うちわの会話?で始まるお馴染みの名曲「Temptation」。もちろんカヴァー曲です。アラビアン・メロに乗せてイミ無くオドロオドロしく歌う SJH。 「私は貴女の奴隷」ってトコがウソくさくて?実にいいですねえ。バッキングはビッグ・バンドに近いゴーカさ。


14. Frenzy
 
(D.Hess-A.Stevenson, B-side of "Person to person", 1957)

なんだか、ひと昔まえのヴェンチャーズのナンバーを思わせるよなギター・サウンドをバックに、やたら唇をブルブルブル・・・の SJH。 となると、ギター・ソロもそれなりのオールド・スタイルで行かないとね。 粗削りなスプートニクスみたいなソロ。う〜む、これはこれで合ってるのかも。 でもベースはやはりウッドのままみたい。
[accompanists─Earnie Hayes: piano/ Kenny Burrell, Everett Barksdale & Danny Perri: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ unknown: sax]


15. Person to person
 
(T.McRae-C.Singleton, OKeh single #7087, 1957)

エディ・クリーンヘッド・ヴィンソンでお馴染みのあの名曲が、このようなコトになろうとは。バックはキチンと仕事してるんだけど、SJHの異常なテンションが見事にブチ壊しにしてるよーな気が・・・最初はまだいいんですよ。2番のケツあたりから怪しくなって来て、ブレークで入る「サビ」の最後のスジ切れそうな絶叫。でも、まあ、SJHとしてはマトモな方(どこが?) かも。
OKehのシングルで「Frenzy」とカップリングされてたものをこのCDに収録したものです。 (ところで「Person to person」のエルモア版、オモシロいですよね。なんかコード進行、大幅に整理しちゃっててスゲえ省略型になってんだけど、もしかしてオープン・チューニングのせいなの?)
[accompanists─Earnie Hayes: piano/ Kenny Burrell, Everett Barksdale & Danny Perri: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ unknown: sax]


16. Little demon
 
(alternate take)

ここからは別テイクを収録したものです。 はじめ、軽快に飛ばしてたのが途中で空中分解して止まっちゃう。 で、やり直してもっとショボいギター・ソロもはさんで今度は完成します。 こちらのテイクの方が、Vo.にかけてるリヴァーブがなんでか深いんですよ。「Muh,muh,muh,mumuh」の滑りも悪いかな?


17. I put a spell on you
 
(alternate take)

これも別テイク。オリジナルよりは、少しだけだけど、おとなしい感じの仕上がりになってますね。「鬼気迫る」度?が(別名「SJH指数」が) ちょと低いよーな気がします。 もしかして、さしもの SJHもいささかお疲れだったのかも。 サイド・ギターがチョットダサいかな?ってのは現代の感覚で、 当時はカッチョいいギターだったのかもしれませんねえ。


18. There's something wrong with you
 
(alternate take)

このトラックはモノラルだったオリジナルを疑似ステレオに後処理もされています。
オリジナルより、やや軽い仕上がりになってるかな。後処理の影響でしょうか、変なリヴァーブが気になるテイクです(最後の4曲の「別テイク・グループ」はどれもこのリヴァーブが特徴です)。


19. Alligator wine
 
(alternate take)

こちらのテイクは、オリジナルに比べるとギターのリフを前面に出して、ウルサイ鳥どもは追っぱらっちゃったヴァージョン。やや静謐な(ぷぷぷ・・・)つくりと言えるのではありますまいか。この曲も、疑似ステレオ化されてますけど、どっちかってゆうとリヴァーブが深すぎじゃないかなあ。


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